最近、かかりつけの医者で腹囲を測られた。メタボリック症候群の診断基準に、ウエストサイズ計測ガあり、男性では85センチを超えたら「アウト」とされる。ウエストサイズが大きければ大きいほど、体脂肪、とりわけ内臓脂肪が多くなり、これが過度に蓄積されると、動脈硬化を防ぐ善玉の物質が減り、動脈硬化を進める悪玉の物質が増え、血圧、血糖値や血中コレステロール量が上昇する。結果として動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症などに直結するというとのことである。
私の場合、若干改善が必要で、「夕食については副食を食べ、米飯等の主食を抜くことを2カ月くらい続け、腹囲を2−3センチ減らすように」と診断された。いまさらという気もするが、長生きに伴う種々のリスクを回避する意味でも、医者の言に従うこととした。
そのリスクの第一は、健康寿命である。日本人の場合、平均寿命は、男性77.9歳、女性84.8歳であるが、健康寿命では、男性71.4歳、女性75.8歳(WHO2002年)。つまり、病気や認知症などによる要介護期間が、男6.5年、女9.0年あることを示している。2006年の簡易生命表による日本人の平均寿命は、男性が79歳、女性が85,81歳とさらに長寿となったが、要介護期間が大幅に短縮したとは聞かない。しかもそれは平均期間であり、それ以上もあり得るのである。
第二のリスクは家計である。老後の日常生活費は、夫婦2人で最低、月約23万円、ゆとりを持って生活するには月38,3万円(生命保険文化センター)といわれる。つまり、60歳の定年後20年間の費用は、前者で約5500万円、後者で約9200万円と算出される。これに介護費用等も必要となる。英国の場合は80歳代の認知症発症率は20%であり、患者一人当たりに要する費用は、年間600万円だそうである。(科学ニュースあらかると)
第三は、日本の人口構成は、2005年では高齢者1人に対して現役世代3.3人であるが、2055年にはこれが1.3人という比率(高齢社会白書)になる。つまり、高齢者が「支えられる」時代は終わるという時代に生きているリスクである。
これらリスクの解決は、あらゆる点で自助努力をする以外、手はない。積極的なメタボリック症候群への対応も不可避と考える昨今である。
|