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2007年6月15日 VOL.84


 

 

『日本に挑む中国』 
著者:古森義久    出版社:PHP研究所

後藤田 紘二  

 これからの時代は中国問題が重要だと言われて久しいが、いよいよその時代がやってきたようだ。隣国中国とはいったいどういう国なのか、一度整理して正しく理解をしておくに際して、この書物は大変貴重である。
著者古森氏は産経新聞のワシントン支局長、中国総局長など歴任した国際感覚鋭いジャーナリストである。北京支局勤務やワシントン支局長時代の経験がものをいって、著者の中国論は、中国人にとっては耳が痛いに違いないと思われるほどポイントをついており、歯切れが良い。
内容は靖国問題、東シナ海天然ガス開発での日中問題、わが国外交の失策、特に“国民の思考とズレた外務官僚”への批判、中国の軍備拡張問題の不気味さと米国サイドから見る中国に対する認識、中国内部の現実などなど、関心の深い時事問題を、得意の辛口“古森節”で語っている。本書は、これまで文芸春秋やSAPIOやVOICEなどの雑誌類に掲載した近年の著者の論文を集大成させたものである。
わが国のメーカーや流通業のトップ企業クラスが続々中国進出するなど、近年、経済的な関係がどんどん増大している折から、果たして中国リスクをどのように考えるべきか、日本人は皆、頭を痛めていると思う。実にタイムリーな執筆である。

 

『アンチエイジングのすすめ』 
著者:塩谷信幸    出版社:幻冬社
『ピンピン・コロンの心理学-サクセスフル・
エイジング読本』 
著者:渋谷昌三    出版社:ぶんか社

前川 彬  

「アンチ・エイジング」と「サクセスフル・エイジング」
この二つの言葉は、いずれも老後の生き方に関するものであり最近かなり使われるようになったが、語感が良く気に入っている。それぞれ、好著と思われる本から内容を紹介しよう。
まず「アンチ・エイジング」であるが、塩谷信幸『アンチエイジングのすすめ』(幻冬社)では、加齢による心身の老化を如何に防止するかについて、医学的見地から提言をしている。そこでは、暦年齢よりも「リアルエイジ」(現在の心身の状態を表す年齢)が大事であり、自分の努力で老化の速度を遅らせ「リアルエイジ」を若返らせることが目標となる。そして、心身の老化を防ぐには、バランスの良い食生活と適度な運動が効果があり、具体的には、前者では、朝食をしっかり食べる、外食を減らす、腹八分目を心がけるなど、後者では、好きな有酸素運動を長く続ける、歩くなら一日一万歩、気の合う仲間とスポーツをするなどを挙げている。その内容は常識的かもしれないが、それをきちんと長続きさせることが一番の老化対策であることに気付かされる。
次に、「サクセスフル・エイジング」は、渋谷昌三『ピンピン・コロンの心理学ーサクセスフル・エイジング読本』(ぶんか社)では、長寿社会の中で上手に賢く老いる方法について、主として心理学的側面からアプローチしている。孤独感・無力感の克服や夫婦の危機についての項目もあるが、とくに、元気に老いる秘訣として、日常生活を自己コントロールすれば行動が積極的となり健康も促進されること、男性は高年齢になっても女性に対して「ラブ」の意識が強く女性と仲良くなることが若さの秘訣であること、自分が好きあるいは他人に自慢できるものを持つことが自尊感情を高めることなど、実例をベースにした提言はなかなか面白い。最後に、著者は、過去の肩書きや面子に固執せず「人生二毛作」の心構えを持てということで締めくくっているが、まさに同感である。

 
 
 
  
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『私の子育て日記 その3』
相川 香

先日、保育園の遠足で生田緑地にある「岡本太郎美術館」を見学しました。
木々に囲まれた美しい場所で、日本民家園や菖蒲園なども隣接しています。
美術館には色彩やかな抽象画や不思議な動物の彫刻、座ることを拒否するイス等、子供が楽しめる作品も多く、息子も興味津々でした。
それまであまり岡本太郎について知識はなく、奇才な人という印象だったのですが、改めて作品や活動を知り、感性の偉大さと芸術や人への愛情の深さを実感。
中でも印象的だったのは、岡本太郎の両親についての紹介で、
「売れっ子漫画家だった父親は岡本太郎を育てる時に
 世間の常識というものを一切押し付けることをせず、
 自由に育て、自由な発想が生まれた。」
とありました。
そして親子としてではなく、いつも一人の人間として対等に向き合ったと。
その言葉通り、母親は昭和初期にもかかわらず、パリやロンドンに渡って執筆し、作家として活躍していたそうです。
毎日ガミガミ世間の常識を植え付けようとしていた私にとって、胸に突き刺さる言葉でした。
今2歳半を過ぎた息子の周りは、幼稚園の話題で持ち切りです。
きちんとしつけや教育に力をいれる園、自然とのふれあいを大切にする園、
一貫教育の園と様々で、園によって子供達の表情も全く違います。
格差社会が進む中、息子は公立でのびのび自由に育つのがよいのか、私立できちんと育つのがよいのか、母親歴2年半の私には、まだまだ答えを出すのに時間がかかりそうです。


∴∴∴∴《編集後記》∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

老老介護の時代になり、わが仲間にも両親の介護のため東京から単身で帰郷した人も少なくない。また、身内を老人ホーム等に預けている人も少なくない。彼らの話を聞く度に、わが身の行く末を考えさせられることが多い。物事は、最初もさることながら終わりが難しいといわれるが、人間の生涯も同じで有終の美を飾るためには考えたり努力すべきことが多いようである。ピンピンコロリを目指さなければとつくづく考える昨今です。
皆さんご多忙中のところご寄稿有難う御座いました。(HO)








 
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