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2006年11月15日 VOL.70

 

 

『鏡の法則』 
著者:野口嘉則   出版社:総合法令出版(株)

岡本 弘昭 

心理学で“あたかも鏡に映る自分の姿のように、あるいは壁にぶつけたボールがその力に応じてはね返ってくるように、自分の相手に対する態度が相手の自分に対する態度として返ってくる”という心理作用が、反射の法則とかミラーの法則とかいわれている。
 本書は、いじめの対象となっていると思われる小学生の子供を持つ母親の行動と心理の反映が子供の行動に影響していることを物語りとして明らかにし、結論として「人生の現実は、私達の心の中を映し出す鏡である。(鏡の法則)」、また、「現実に起きる出来事は一つの結果であり、その結果には必ず原因がある。しかもその原因は自分の心の中にある。従って人生の問題を根本的に解決するためには、自分の心の中の原因を解消する必要があり、それには自分の心を変える必要がある。」という事を説いている。まさに上記の心理法則の具体的な教科書である。さらに自分の心の原因の解消を実現のためのステップも教示している。
本書は、ここ数週間続けて三省堂書店、紀伊国屋書店のベストセラーとして爆発的な売行きと示している。これは現代は、想像以上に人間関係が複雑で、これに悩んでる人々が多いこと、法則自体は十分に理解しているものの自分の心が変えられずに引き続き悩むことが多いことを示しているといえる。
法則自体確かなものであり、さらに、自分の心を変えるステップを知ることは色々応用が利く可能性も高い。且つ本書はノーマルな価格で読みやすいこともあり、一読をおすすめしたい。
 なお、この本はブログで反響が多かったのを本として出版したものという。新しい出版パターンの出現としても注目される。




 
『映画評 フラガール』
出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優 監督:李相日 
片山 恒雄 

 昭和30年代の後半、石炭から石油へとエネルギー変革がひたひたと打ち寄せてくる時代にあって、常磐炭鉱の町には近く迎える閉山を控えて沈鬱な空気が漂っていた。そこで会社側は雇用吸収の一助にすべく、地下から湧き出る温水を利用して、一大温泉パラダイスを立ち上げ、その目玉としてハワイアンフラダンスを舞台に乗せて顧客吸引力を高めようとはかる。炭住に住む二人の女子高生は、ダンサーの募集に応じ、いまの苦しい生活から逃げ出そうとボタ山の上で誓い合う。経営者は、わけありの元SKDダンサー一人を東京から呼びよせて指導者に据え、特訓に次ぐ特訓を重ねて見事大成功のうちにショウの幕が下りるというのが本映画のあらすじである。
 地下深くにもぐって炎熱と戦いながら、自らの肉体をそぎ落とすかのようにして石炭を削り取ってくる仕事に、国家の基幹産業の担い手としての自分を重ねあわせ、真っ黒になって働く坑内夫。その努力にもかかわらず、時代の波に抗しきれず解雇に応じて新たな生活の糧を求めて旅立つことを余儀なくされる不安。貧しさの中にも明日の希望を信じてひたむきに生きる当時の人々の姿が観る者の感動を誘う。驚くべきことは、創業時から踊りを教え続けてきたダンサーが、今でも現役で活躍しているということである。
 私事にわたって恐縮だが、私は昭和46年に常磐ハワイアンセンターからの借り入れ申し込みをうけ現地にでかけた。そのとき印象を受けたことは、コスト節減のため大きなお椀の中にすべての料理を盛りつけて、大広間をめまぐるしく配膳してまわる仲居の姿、東京に出向いて団体客集めをする社員は、人々に喜びを与える仕事に従事できる充実感を語っていた。すべてかつての炭坑夫とその家族である。全身に金粉を塗って踊るショウがきっかけとなって起こった大火災など当時話題にも事欠かなかったが、ひとつの時代を劃したページェントであったことは確かである。
 観おわってしばらくしてから、今まで観てきたいくつかの場面がセピア色に沈潜して、大きな感動がゆっくりと私を襲ってきた。





 

 

 

ご要望にお応えして、ジャンルを定めない自由評論コーナ ー【私の一言】を設けました。 評論の評論はもとより、社会評論等自由なご意見をお届けします。

『笑いと健康』
吉田 龍一
笑いには3種類ある。第1が「快の笑い」。楽しい感情になった時に表れる。第2が「社交上の笑い」。あいさつの時などに浮かべ、コミュニケーションの道具になる。第3が「緊張緩和の笑い」で、緊張が緩んだときに漏れる。この笑いは、2つの側面 で健康にプラス効果をもたらすといわれている。1つが病原菌を退治する免疫力を高める効果 。 もう1つが、ストレスを軽減する効笑いには3種類ある。第1が「快の笑い」。楽しい感情になった時に表れる。第2が「社果。ストレスが高まると、交感神経が優位 になり、アドレナリンやコルチゾールなどのホルモン分泌が増え、脳の温度が上昇する。笑うと、副交感神経が優位 になってホルモン分泌が減少、脳の温度が下がるという。このようなことから、健康の維持・増進のためには、栄養・運動・休養と言われが、「笑い」を加えることが必要といえる。
しかし笑いには、それ以外に、3つのユニークな特色があるという。その1が「伝染効果 」。つられる笑いであり、逆に、組織のトップがいつも苦虫をかみつぶしたような表情をしていると、部下もほとんど笑わなくなるという伝染性。その2が「しわの効果」。周りに合わせて愛想笑いばかりしていると、ゆがんだ表情になる。顔の表情筋は、心から笑う時には左右対称に動くが、心を押し殺した笑いだと非対称に動くという。繰り返しているとしわも非対称になり、顔がゆがんでみえるそうだ。その3「顔面 フィードバック」効果。ほほ笑みの表情を意図的に作ると、なぜか気分も楽しくなる。顔の筋肉の動きが脳へフィードバックされ、それに応じた脳のプログラムが呼び出され、楽しい感情がわいてくるということである。
ある研究によると、1人の人が1日のうちに「楽しいと感じて声に出して笑った、その笑いに費やす時間」は、男女平均で約23秒/1日だそうだ。これが殺伐な現代日本社会を作り上げている一つの要因ではないか。毎朝3秒。洗面所の鏡に写った自分の顔を見ながら「ニコッ」とする。で、3秒静止。これだけで「顔面 フィードバック」効果で心がリフレッシュするという。さらに笑顔も笑いと同様に「伝染効果 」があり人間関係をスムーズにし、また、健康づくりにも一役かうことになる。
殺伐たる現代、時として精神的に笑える状態じゃないときもあるが、そんなときこそ、無理にでも笑顔をつくり健康と明るい社会作りに貢献する必要がある。



 

 
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