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2006年4月1日 VOL.55

 

 

『調理以前の料理の常識』
著者:渡邊香春子   出版社:講談社

板井 敬之 

この本は、一昨年の12月に発行されたもので、調理の要諦が書かれている。再来年以降“団塊の世代”が定年を迎えるが、「料理をやってみたい」とする人間が増えると言われている。そんな人たちに大いに参考になると思われる。
“団塊の世代”ではないが、斯くいう私も仕事をやめたら料理を習いたいと思っている。最近、その種の教室が増えたと聞くが、教室に通うようになれば、この本は予習・復習で大いに力を発揮するであろう。
因みに取り上げられている内容は、「野菜には水からゆでるものと、湯からゆでるものがある」、「献立の基本は一汁三菜」、「三杯酢、二杯酢とは」、「“ゆでる”と“ゆがく”は大違い」、「肉と魚では、塩を振るタイミングが異なる」「貝類・もやしは洗い、切り身魚・きのこは洗わない」等々私が全く知らなかった基本の知識が、図解や漫画で解説されていて、大変に分かりやすい。
著者は料理研究家で、都立技術専門学校調理科の講師を20年以上勤め、NHK「今日の料理」の食材下ごしらえコーナーにも出演している人の由。
 書店で、一般の新刊書のコーナーに陳列されていて、誰でもがすぐ手に取れる状態にある。最近この本の“続”が出版されたとのことであるが、まずは“正”をマスターしてからと思っている。




 
『国家の品格』
著者:藤原正彦   出版社:新潮新書
山本 俊一郎 

 著者は数学者でお茶の水女子大教授で数年間英米の大学で教えたこともあり、国内・海外ともに経験豊富な人である。
 現在、わが国の治安は悪化傾向にあり、また理数離れに代表される子供達の学力低下も憂慮されているが、著者は先進国共通の現象だという。彼は自身の経験をふまえ、現在、わが国および世界の先進国で起きている治安悪化、学力低下を憂えると共に、その原因を現代社会に普遍的になった「西欧的な論理と合理精神」に求めている。彼は、この二つが重要なことは認めつつ、それだけではやっていけないと主張している。帝国主義も共産主義も、それなりに合理的な理由づけはあったが、結果は失敗に終わった。現在、主流となっている資本主義も、その内容とする実力主義、競争社会に欠陥があって、徹底し過ぎて野放し状態にすると組織は強くなるが、個人としては周囲が敵ばかりとなり、脱落者が大勢出て非常に不安定な社会を作るだろうという。社会の構成員の大多数が心穏やかに生きていくには、年功序列や終身雇用といったシステムも必要だというのである。
 数学ですら、どんなに立派な公理系があっても、「不完全性定理」なるものがあって白黒を論理的に決められない命題があるという。その例として「殺人はなぜいけないのか」ということも論理的には説明できないことを挙げている。彼は、こうしたことは論理ではなく、「駄目だから駄目」と教えねばならないという。
 彼は、慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠、名誉、廉恥といった徳目を重んずる武士道精神こそ復活すべき目標としている。尤も、彼のいう「武士道」は、新渡戸稲造が著した同名の書を指している。この本は、日露戦争直前、欧米人に日本人の道徳観を解説するために書かれたもので、欧米との比較が中心となっていて、日本人の道徳観が欧米と比肩し得る内容をもつものであることを彼我の例を挙げて説明している。「葉隠」等に比べれば、かなり理想主義的な内容なので、日本人が読むとこそばゆいが、武士道の理想を解説したものとしては名著であろう。
 藤原氏がいうように新渡戸稲造の「武士道」が今後の世界の目指すべき方向かどうかはともかく、これまでいわれてきた「グローバル・スタンダード」を再吟味する必要があることには異論はないだろう。






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『シンガポール便り(7) シンガポールの「ムチ打ち刑」』
岡田 桂典
 横浜でビルの上から高校生がコンクリートの破片が入っている袋を投げたとか、姫路でホームレスに火炎瓶を投げて死亡させた4人の少年達が逮捕されたとかのやるせないニュースが続きます。あまりにも無思慮で、他人に対する情けを欠くこれらの犯罪の防止のために、私はシンガポールの「ムチ打ち刑」を日本へ是非導入すべきだと思います。
「ムチ打ち刑」というのは“ムチ打ち計10回”とかの判決を受けた者のお尻を医者の立会いで“ぶっ叩く”刑で、3-4回で卒倒し、傷が出来ると中止して残りの数は傷が癒えてから続けるのだそうです。この刑の犯罪防止効果は抜群で、“悪がき”どもは「刑務所に行くのは良いけど、ムチ打ち刑だけはいやだ」と言うといわれます。
電車の中で人に注意されて、彼女にふられてむしゃくしゃして、お説教に“切れて”人を殺したとか、女性・弱者に対する暴行、老人を騙してカネを奪うような輩は“ムチ打ち刑”にしたら良いのです。人を殺せば被害者一家の悲しみ、苦痛はきわめて大きく、女性・老人たち被害者の精神的苦痛も耐えがたきものがあるでしょう。忘れてはならないことは、被害者だけでなく加害者一家にも大変な悲劇が待っていることです。人権主義者は犯罪者は処罰ではなく矯正させるべきだとか、テレビの刑事は「罪を償って帰って来い」と言いますがみんな大ウソです。殺人犯の家族と結婚しようという人はいませんし、犯罪者の家族の多くは職を失い一家はちりじりになります。ムチ打たれて失神する“恐怖による抑制”であろうと偶発犯罪、反社会行為が減るのであれば良いではありませんか。判断力がいまだ足りない若者の為に,その家族の為に、平和に暮らす人々が思わぬ被害者になる悲劇を防ぐ為に、この刑を導入すべきだと強く主張する次第です。




 
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