著者は、長い間インスリン治療を受けていた数人の患者を、”食べすぎや運動不足“が病気になった原因であるとして患者に自助努力を促したところ、インスリン治療の必要がなくなりましたが、これに対して"日本の医療の行く末を決める、名誉教授などの肩書きをお持ちの医学界の偉い先生方”からどうしても納得がいかないといちゃもんをつけられたことがあるそうです。
またある時は、厚労省の幹部の人から"元気なお年寄りに治療するとはどういうことなんだ“といちゃもんをつけられたことがあるそうです。人は生まれてから直ぐに”病気が始まる“と考えている著者からすれば、"未病”の状態にある高齢者に“発病”しないための予防策を講ずることは当然のことなのですが。
今、日本の大半の医師は、生活習慣病など食事と運動で自分で簡単に治せる「ウソの病気」の治療に追われているためがんを始めとし数々の難病など「ホントの病気」に十分な対応ができないので士気が低下し、しかも「ウソの病気」の治療を止めると生活が成り立たないという身動きができない状態に置かれている。この結果年々嵩む医療費が国家財政を悪化させる一大要因ともなっている。
著者は抜本的な解決策として、「ウソの病気」を保険の対象から外すとか、診療報酬大系の改定とか大胆な提案をしているが、これには製薬会社はもとより、厚労省,医師や患者さえも抵抗勢力となることが予想される。このため著者は医療改革には国民の理解と後押しが不可欠と感じているようである。
最後に、「元気で長生きするための五つのヒント」が書かれているが、これは著者ががんサバイバーなどの意見も取り入れて作った究極の健康法ともいうべきもので、元気で長生きすることを願っている人には必見である。