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■2010年2月1日号 <vol.147>

書評 ─────────────
 
・ 書評    矢野寛市 『由井寅子のホメオパシー入門』
             (由井寅子著  ホメオパシー出版)

・ 書評    石川勝敏 『襲われて 産廃の闇 自治の光 』   
            (柳川喜郎著 岩波書店)

・【私の一言】 岡本弘昭 『ギリシャ神話ミダス』




2010年2月1日 VOL.147


『由井寅子のホメオパシー入門』
著者:由井寅子   出版社:ホメオパシー出版
矢野 寛市   
 二ヶ月程前、最近知り合って親しくしているA子さんから健康法などについての三人の著者の本が一度に送られてきた。何れも私が全く知らなかったことが書かれており、自分が体のことや健康法について如何に無知であったかを知らされて愕然とした。因みにA子さんは若い時不治の病とされる筋萎縮症に罹り、将来の車椅子生活を予期して習い覚えたパソコンで色々な民間療法を検索して試し、遂にI氏の食事療法でこの難病の進行を止めたという不屈の精神の持ち主である。

 ルポライターのE氏の本は、血液の生成について画期的な発見をしながら世に出ることがなかったC氏がガンを始めとする慢性病は「気,血、動」の三つを実行することにより克服できるとしていることを解説している。
 T氏は医師ではないが、自らの体験に基ずき、食物も体も“血をきれいに保つ”という観点から陽性と陰性、アルカリ性と酸性に分類し、病気を治すには時間を掛けて調理した玄米と根菜類と海藻を食べるのが効果的としている。

 ホメオパシーは同種療法と訳され、アメバシー(逆療法)の西洋医学と対極にある。例えば、やけどをした時患部に冷たい水を掛けるのが普通であるが、ホメオパシーでは逆に患部を温めて治そうとする。ホメオパシーは2,500年前医聖ヒポクラテスが既に行っていたとされるが、その後途絶えていたのをドイツのサムエルハーネマンという医師が復活し、今はヨーロッパとかインドで盛んに行われているそうである。日本でも由井氏が千葉のS病院でこの方法で治療を行っている外、川越のO病院でも治療法の一つとして採用しているようである。

 ホメオパシーでは植物、動物、鉱物から採取したレメディと呼ばれる何万倍にも希釈,振盪したもので治療する。分子や原子も無くなっているようなものが何故病気の治療に効果があるのかということであるが、量子力学の発達により"分子の情報は水に記憶されていて、それが生物的な影響を与えている“と説明されるに至っている。


『襲われて 産廃の闇 自治の光』
 著者柳川喜郎  出版社:岩波書店

石川 勝敏   


 著者は元NHKジャーナリスト、定年退職後故郷の岐阜県御嵩町(みたけちょう)に帰り、友人たちに推薦され、御嵩町町長になる。
 町長就任1年半後、自宅前で2人の暴漢に襲われ、重傷を負う。地方紙にー産廃行政に暴力の挑戦―だと書かれ、半信半疑でいた。犯人はいまだ捕えられず迷宮入りになりそうである。

 前町長時代に進行していた、巨大管理型産廃処分場設置に柳川新町長は慎重な態度をとり、その後県庁に産廃処分場設置の一時凍結の要望をしていた。処分場下流には5百万人分の上水道取水場があって、木曽川系水道水汚濁の可能性があり、また処分場の一部が飛騨木曽川国定公園に含まれていたからである。

 町会議員への説得、41回の住民説明会、を経て住民投票が実施された。投票率88%反対80%で住民投票により設置反対の意見が固まった。町議会でも設置反対が決議された。

 また この活動を通じて町に住民自治の活力がでてきた。暴力、金、権力(県方針)と対決してゆく柳川町長の活動が生々しく描かれている。
 表沙汰にならない迷惑施設をめぐる貴重な一冊の図書である。
 一読をお薦めしたい。

 

ご要望にお応えして、ジャンルを定めない自由評論コーナ ー【私の一言】を設けました。 評論の評論はもとより、社会評論等自由なご意見をお届けします。

『ギリシャ神話ミダス』
岡本 弘昭

“業突く張りのミダス王は、アポロンに願い事を言いなさいと言われて「触れるものは何でも金になるようにして下さい」と頼みます。その願いが聞きいれられ、触れるものは何でも金になりました。このため、王様は王女に触ったとたん王女は金に変わってしまいました。食べ物を食べようとすると食べ物も金に変わり、水でもと思いましたが、喉に入って水は金に変わり窒息してしまうと思い、触るものが何でも金になる願いを取り消して欲しいと嘆願しました。”というのがギリシャ神話の「ミダス」の前半の「ミダスの呪」話です。これは「欲を出しすぎると必ず不幸な結末を迎える」という教訓です。

 ところで、現在の日本も世界は「ミダスの呪」が蔓延し、『欲望の権化』である投資マネー等が欲を出しすぎ世界を混乱に陥れています。

 この際限ない欲望に足かせをかけなければ、人間は、ミダス王と同じように『お金があっても幸せにならない。』という状態になります。

 動物は、百獣の王ライオンですら必要以上の無益な殺生はしないといわれています。つまり必要以上の消費はしないということです。動物は「欲を出しすぎると必ず不幸な結末を迎える」これを知っていたということでしょう。

 人間も動物であり、本能的には、必要以上の消費をすることないはずです。

 「イースタリンの逆説」という学説があります。これは、物質的豊かさと人間の幸福には関係があるが、ある一定水準の豊かさに達すると、豊かさと幸福の間には関係が無くなるという説です。

 現代は、ギリシャ神話の時代と同様に、豊かさということを改めて考えてみるべき時代にあるということです。

 

 

 循環型社会として江戸時代が注目されていますが、江戸市中のごみ収集の手順は以下の通りだったそうです。
 表店では各家の裏へ、裏店では共同の掃き溜め(現在のゴミステーションのようなもの)を設置、それらを町単位でゴミを収集する『大芥溜め』という場所へ運び、そこから船着場(突抜)へ運び、そこから永代島(後には越中島)へ運ばれていました。
 当時の資源は徹底的に再利用されていたため、余り量は大きなく、それらも再利用が難しいものや、火事によって出た灰などのゴミで、人口の割りに排出されるゴミの量は非常に少なかったそうです。
現代は温故知新の時代かもしれません。

 今号も多面的なご寄稿有難う御座いました。(HO)




 
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