この2冊の著書は、評者が現役時代、永年携ってきた繊維業界の先輩でもあり、かつ、学校の先輩でもある、烏賀陽氏が、ご自分の現役時代に主としてビジネスを通じて深い関わりをもってこられた、アメリカ人、なかんずく、世界の各地で繊維業界を牛耳っているユダヤ人との付き合いの中で、学び取ってこられた事の一部を、纏められたものである。
先輩であるからと言って、特に、「よいしょ」をするわけではないが、著者の永年にわたる海外駐在の経験、奥行きの深い高度な英語力、更に、その背景にある著者の学識の豊かさなどから、普段余り英語に接していない人達でも、すんなり入っていけるように、日本の諺なども持ち出して、分かりやすく書き下ろされている。この両書に書かれている英語の文章やフレーズを一度覚えておくと、将来、英語圏の人々と付き合っていく時に必ず役に立つと思われるので、是非多くの方に一読をお勧めしたい本である。
前者は、ジョーク好きのアメリカ人と会話をする際の実地でのジョークが多く書かれており、ジョーク好きのアメリカ人と話をする際に、この本にあるジョークの一部でも話していけば、大いに喜ばれ、きっと会話に弾みがつくものと思われる。
後者は、ここでは、厳選された100のユダヤ人の格言について書かれている。格言好きなユダヤ人は、大昔から苦難の生活を経験してきたが、格言の中にその苦難に打ち勝つ方法をちりばめており、その人生観がこれらの格言の中に凝縮されている。このような考え方は、日本の昔からの古い商家の伝統にも似通っているところが多多有り、著者は、その家訓なども随所に取り入れて、分かりやすく説明されている。又、これらの格言が、英語で書かれているところが、お役に立ちそうである。
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