福井県の西川知事は大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に関して「消費地は福井県の(原発運転開始から)約40年の努力や苦労、恩恵に無感覚であってはならない。我々は関西の同意を待っているわけではない。消費地が電気をいらないというなら、福井が無理をして動かす必要はない」と苦言を呈したとの新聞報道(5/24)がありました。最近、ブータン王国のGNH
(国民総幸福度) の概念が、経済的な豊かさのみを追い求めるのではなく、個人が幸せを感じることができる概念として注目されていますが、原子力発電問題は国民総幸福度からみればどういうことになるのでしょうか。国民総生産を選択するにしろ、国民総幸福度を選択するにしろ、日本の現状からすれば、いずれも何らかの面で犠牲がいります。その認識と犠牲を覚悟して議論をすることが必要ということでしょう。なお、ブータンとは次元が違いますが、経済協力開発機構が調査した国民生活の幸福度を表す指標で、日本は36カ国中21位ということでした。
今号も貴重なご寄稿をいただきありがとうございました。(H.O)