安岡正篤先生講義 易と人生哲学 Jに
“文冥(ぶんめい)、文迷(ぶんめい)の時代こそ易を”と題して次の文章があります。
『此の頃、文明は、まさに文冥になりつつある。冥までは参りませんが、少なくとも迷うておることは事実です。文迷であります。何とかこの現代文明を文冥にしないように努力しませんと、大変なことになるので、最近ヨーロッパにローマ・クラブというのが出来ました。アメリカにも出来ておるようですが多くの学者が集まって真剣に現代文明の研究、批判と修正を目的として努力しておるようであります。どうも、まだ日本にはそういうものが、個人的には少しあるようですが、結束してやっておるというのがありません。やはり日本人は、西欧人のように自治的でなく指導力というものを必要としますから安定した内閣をつくり、内閣が音頭をとって学者や識者を集めて、この近代文明の弊害を救い、新鮮な時局を打開することに努力しなければなりません。』
これは、昭和53年5月16日に講義されたもののようですが、現段階の今でも文冥、文迷の時代のように思われます。
来たる今度の選挙では指導力のある人を選びたいものです。
本号も多彩なご寄稿有難う御座いました。